昔のフランス人と国際化(英語)

昔は(20-30年位前)、フランス人は英語を知っていても話してくれない、という定説がはびこっていました。たしかにレストランもホテルも英語は殆ど通じません。テレビもフランス語オンリーゆえ、一旦フランスに入ると、フランス語を話せない人にとっては、見ず、聞かず、話さずの状況下では、フランス嫌い(francophobie)になるのもやむを得ません。勤務先の海外部長が、「一度出かけたフランスでは言葉が通じないので、2度とフランスに行くのはやめた」と公言していました。
 一方で、国際化の波が押し寄せ、フランス語に英語がはびこるのを防ぐために、お国が「パーキング」とか「ストップ」、「ビデオ」、「コンピューター」などの使用を禁止していた時期です。
日本とフランスの関係はというと、日本はフランスにせっせと輸出するくせに、フランスの製品は買ってくれないという関係が、長く続いていました。当時の日本の首相が仏大統領に「トランジスタ商人」と呼ばれたりしました。
日本製品があまりにもフランスに入ってくるために、輸出する製品のカタログや輸出入の書類もフランス語でなければならない、という規制ができたこともありました。
ただし、フランス人が英語を話さなかった理由は、自尊心とかプライドでなく、単に彼らも本当の英語に触れたり、会話のチャンスが無いために、英語をそのままフランス語で発音するため、それこそとんでもなく下手くそな英語に聞こえてしまうために、話すのを控えていたというのが、実情だったのではないでしょうか?